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忘れられない もうひとつ

中学生の時、初めて、先輩から、
『僕と付き合ってほしい』と言われ、
おそらくそれは、いわゆる「告白」というものだったのだろう。

奥手で、子供だった私は、わけもわからず「うん」と返事した。
それから、時々、学校から一緒に帰った。

確かテニス部だった先輩は、テニス部なのに足が速くて
陸上部の駅伝メンバーの助っ人として時々陸上部で練習していた。
お勉強もできて運動もできて、人気者のかっこいい先輩だった。

私はというと、
今でこそ、「化粧」という魔法によって、少しははっきりした顔に見せることができるけれど
もともと、こざっぱりとした地味な顔で、
真面目に前髪をオンザにし、長い髪をきっちり三つ編みにしていて
学生カバンは教科書やらでパンパンだった。
可愛いわけでもなく、モテルタイプの女の子でもなく・・・。
もっと可愛らしい子や、綺麗な子がたくさんいるのにどうして私がいいんだろう?
って嬉しいよりも先に、疑問だった。

それから「付き合う」ということがどういうことなのかよくわからないまま
先輩は卒業していった。
「○○高校で待ってる」って言って・・・。

一年後、私も同じ高校に入学した。

すると、なんだか知らない女の先輩たちが何人か私を見に来た。
「あなたが○○君の?」ってきかれて、驚いた。
「本当に待っていてくれたの?」「そんなはずないよ。一年も経ってるんだよ。」
って思った。

ただ、中学校から一緒に帰るだけの私達の付き合いが先輩の卒業と共に終了し
その後会うこともなく、連絡すらなかったのだから、

結局
つきあったのか、
つきあってなかったのか、
別れたか、
そうでないのか

本当に子どもの私にはわからなかった。

でも、先輩は本当に待っていてくれたんだ。

それを知ったのは、
高校も卒業し、社会人になり、何年も経ち、ある日突然の先輩の訃報が入ってからだった。
ご家族が、高校時代の友人に連絡をとっていたら、私の名前が挙がったらしく
いろんな人を経由して、私に辿り着いてくださった。

そこから、ご家族と数回連絡をとりあった。
高校の時の先輩の気持ちを、そこで初めて知った。

いっぱい泣いた。

もう何年も何年も、先輩のことを思い出したことすらなかったのに、
その日から、先輩は、私のなかではっきりと、
「初めてお付き合いした人」として刻み込まれた。

手を繋いだことがあるだけ。学校から一緒に帰っていただけ。
それが、私の初めての彼氏。

自分に自信がなくて、気持ちをはっきりと尋ねることすらできなかったよ。
だから、もっと、勇気を出して、言った方がいいのかも知れないね。
あとで知って泣くより、ずっといいのかもしれないね。

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